「グラン・ブルー」は、私にとって、とても受け入れにくい作品でした。
海がコワイせいもありましたが、完全に主人公に入ってしまい、最後は本当に苦しかったです。
そして、憤りを感じました。
「これじゃあ、「アルジャーノン」や、ドストエフスキーの「白痴」「エレファントマン」と同じじゃないの〜!!

リュック・ベンソン監督は、でびうからずっと好きで楽しみにしていたし、ジャン・レノさんも大好きだし、この作品はとてつもないことを実現した大変な作品である!というのは、もちろん!理解した上で・・。
ジャックは、一生懸命陸の上で暮らせるようになろうと必死で努力し、苦しんでいました。
しまいには、ベットで寝ていても、身体が素潜りの時と同じ状態になるほど、必死でした。

・・・しかし・・・、ジャックは海に戻ってしまいました。

私は、いつも願っていたのです。
すなわち、ジャックや、「アルジャーノン」や「白痴」の主人公たちが、この汚れて、耐えられなくなるような、「一般社会」の中でも、彼らの個性を保ちつつ、生きられる場所を見つけられますように!!
そうしたら、私にも、そういう場所があるかもしれない、と、そんな呑気な願いを込めて、見聞きしていました。

しかし、最後には必ず来るのです。
それは、作者の方の苦しみでもありましょう。
作者でさえ、そういう場所を用意できなかったのですから。

以前、この映画の話をした、心理学の道を選んでいる方は、
「映画では美化されたところがあるから。
 本物のジャック氏は、結構陸の上を楽しんでいるのは知ってる?
 現実は、そんなもんなんだよ」
とおっしゃり、私の読み方を、
「そんな風に読んでいたら、身がもたないよ」
とおっしゃいました。
その時は、無言で通しましたが、それからしばらくたって・・・。
ジャック・マイヨール氏が自殺した、というにうすが、世界中に流されたのです。
ざま〜みろ♪♪

ピッ!し、失礼しました。(滝汗)
美しい心を持っいて、どうしたら堕落できるのか分からないというニンゲンを、そうではない多数のエセ知識人が、
「そっちへ行くのはやめて、こっちへおいでよ。
 ここには、君の知らない喜びと快感があるんだよ」
と言って、彼を混乱させておいて、結果は散々、皆もとのところに帰るしかなくなるのです。
それでも、それは有意義な行為だったのでしょうか???
もとへ帰ってしまった、傷ついた彼は、そう思うでしょうか???

ずっと長い間、私はこのことに苦しみ、不快でたまりませんでした。
なぁ〜〜〜にが「感動&感涙のピュアな世界」だと言うのですか!?
私にはとても残酷な物語にしか思えません。

しかし、最近その気持ちが少しずつ変わってきたのを、自覚しております。
ジャックたちは、一応自分もかろうじてではあれ、所属している世界を、とりあえず見学に出かけたことにはなる、そう感じるようになりました。
そして、「やっぱりここがいいな」という世界の中へ戻っていく・・。
はた迷惑なことですが、一応一般社会を体験したことは、彼にとって、
「僕の場所はここなんだな」
としっかり認識できることになりはしないでしょうか?
大抵のニンゲンにとって、それが一番の生き方とは思われなくとも。

私も、彼らに居心地のよい場所を教えてもらおうなんて、ズルいことを考えていたワケで、大変失礼なことを考えていたと反省しています。
私の場所は、私だけが知っている・・。
あらためて、「私は生きている」ことを、意識して感じるようになりました。
なかなかそうカンタンにはいきませんが・・。(^_^;)

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